最悪19万9000人死亡 日本海溝・千島海溝地震被害想定 政府
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日本海溝沿いと千島海溝沿いで起きる二つの巨大地震を巡り、内閣府は21日、被害想定を発表した。最悪のケースで、日本海溝地震の場合は約19万9000人が死亡し、建物約22万棟が全壊・焼失し、経済的被害額は約31兆3000億円に上る。
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日本海溝地震は三陸・日高沖、千島海溝地震は十勝・根室沖を震源とし、地震の規模を示すマグニチュード(M)はそれぞれ最大で9・1、9・3と想定した。いずれも千葉県以北の太平洋側を中心に最大震度7の揺れと最大約30メートルの津波に見舞われる。2020年4、9月に、想定される津波の高さと浸水域を発表した際には「最大クラスの津波の発生が切迫していると考えられる」としていた。 被害想定は二つの地震が別々に発生すると仮定。
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直接的な被害が生じるとされるのは千葉以北の太平洋側7道県と秋田、山形両県。道県別の数値では北海道の被害が顕著だ。 被害想定は総じて夏より冬、夕方より深夜、避難する人の割合は少ないほど、程度が重くなる傾向だ。死者は太平洋側7道県で発生し、最悪のケースはいずれも地震が冬の深夜に発生し、すぐに避難する住民の割合が20%のケースだった。避難者数は日本海溝地震で約90万1000人、千島海溝地震で約48万7000人が最多。冬の夕方ですぐに避難する住民が20%と仮定すると、発生1日後に最も多くなる。 一方で「個別の施設の被害は扱わない」として、各地の原発については特に言及しなかった。